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この記事では国の重要文化財でもある施設、ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)を紹介!
1924年に建てられた建物で、兵庫県の中でもセレブが住む場所…というイメージのある芦屋市に現存しています。
鉄筋コンクリート造としては初めての国の重要文化財にも指定された、非常に価値のある建築ですよ。
保存修理工事によって2016年11月から閉館していましたが、2019年2月に一般公開が再開!
僕も約10年ぶりぐらいに行ってみました。
全部屋はかなりの量になってしまうので、ざっくりと写真を交えながら紹介していきます!
この記事の内容。
芦屋川駅からヨドコウ迎賓館へ。
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芦屋川駅から坂を登っていきます。
僕は今回芦屋川駅から徒歩で向かいました。
ちょっと小さいですが、奥の方に家が山に沿って建っている部分があります。
ここまで徒歩かタクシーで向かう必要があります。
坂はありますが、徒歩でも10分程度でヨドコウ迎賓館に着きますよ。
ライト坂という坂を登ります。
なかなか傾斜がキツく、いい運動になります。
暑い時期は結構しんどい…。
坂を登っていくとアプローチが見えてきます。
木々に囲まれた隠れ家的な雰囲気も感じますね。
左の建物はトイレです。
ヨドコウ迎賓館の外観。
集団で来るときはここで集合写真を撮っている人もいますね。
設計は世界三大建築家のフランク・ロイド・ライト。
ライト設計の建築は日本で数えるほどしかなく、建築ファンも多く訪れる場所ですよ。
フランク・ロイド・ライトについて
世界三大建築家といえば、ル・コルビジェ、ミース・ファン・デル・ローエ、フランク・ロイド・ライトの3人と言われています。
その中の1人フランク・ロイド・ライトは、有機的建築思想を提唱者で、外部の自然と調和した建築物を多く手掛けています。
有名な建築物としては、落水荘(Fallingwater)、グッゲンハイム美術館(Guggenheim Museum)など。
興味を持った人は調べてみてはどうでしょう。
玄関に当たる車寄せ部分。
石造りの重厚な雰囲気を感じる場所です。
パカッと開けた開口の奥には緑が見えて、自然を感じることもできます。
もっと広角のカメラで撮れれば全体を写せたんですが…残念。
柱や各部には凸凹感のある、特徴的な意匠。
自然物特有の質感を感じます。
ライトの建築にはこういった意匠やモチーフが多く存在するので、注目して見るとおもしろいと思いますよ。
ヨドコウ迎賓館の中へと進みます。
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まずは靴を脱いで。
中を見学する際は靴は脱ぐ必要があります。
入館料は大人や大学生は500円、小中高校生はなんと200円!
美術館なんかと比べるとかなり安く感じますねー。
特徴あるデザインの窓。
窓から射し込む光が美しい…。
時刻や天気によって様々な見え方が楽しめます。
ここの通路が一番お気に入り!
窓の意匠も凝ったつくりになっているので、光の落ち方にも表情がありますね。
自然を感じる厳かな応接室。
一番の見所でもある、応接室。
石造りの柱、幾何学的な椅子とテーブル、大きな窓、暖炉に上部に連続して設置された通風口などなど…。
いろいろな要素が混ざっていますがごちゃごちゃ感は感じず、むしろスッキリとしつつ重厚感も感じる仕上がり。
建築の巨匠が為せる技なんでしょうかねー?
ちなみに個性的な椅子とテーブルは、ライトのデザインを模してつくったものとのことです。
部屋の中でも存在感のある暖炉。
天井部分にも装飾がちらほら見えます。
この応接室の柱や照明は、エントランスにあるものと同じモノ・形状になっていますね。
連続した開閉式の小窓(通風口)が随所に見られます。
他の窓ははめ殺し窓になっていて開閉できないので、ここから風を取り入れています。
光も入ってくるので、天井にできる光と影のコントラストも目を惹きますよね。
不思議と虫は入ってくることはありませんでしたよ。
はめ殺し(開閉不可)の窓からは外の緑を確認できます。
これだけ重厚感がある厳かな部屋の中でも、外とのつながりを感じられますね。
こんな緑を身近に感じられるような家に住んでみたいものです。
和洋折衷なつくりの和室。
一般的な和室と思いきや、洋の要素がふんだんに取り込まれています。
例えばペンダントライトや窓のつくり、カーテンなどは洋風のつくりの印象を受けますよね。
ひし形の窓。
ここは和の印象も受けつつ、特徴的なモチーフが目を惹きますね。
一応和室なんですが、和洋折衷なデザインでどこか懐かしさも感じます。
建築やインテリアを学んでいた人が、ついつい反応してしまう建築模型。
馴染みのあるスチレンボードでつくられています。
他にも模型があったんですが、写真取るのを忘れました…。
白地に黄色の明るいパッケージ。
4階の食堂ですが、天井に夢中で全体の写真を撮り忘れました…。
応接室とは違い、三角形の天窓から光を取り込んでいます。
食堂ではありますが、モスクのような厳格な雰囲気も感じましたよ。
バルコニーに出る扉があるので、いざ外へ!
市街が一望できる開放的なバルコニー。
バルコニーを出ると、街を一望できます。
もちろん天気の良い日に行くのがおすすめですね。
台形の屋根が特徴的。
飾り石の装飾によって、建築物表面のテクスチャ感がより際立ちますね。
緑の山々が自然の美しさを感じます。
空気も澄んでいて気持ちも和らぎますし、音も静かで虫のさえずりが聞こえる程度。
視覚も聴覚も気持ちも落ち着く場所です。
豆知識ですが、神戸というか兵庫県は山が見えたら北とおぼえておけば間違いないですよ。
芦屋の住宅街も一望できます。
普段見ている景色も視点が変わることで、より美しく。
奥にはほんの少しですが海も見えます。
ただ夏に行くとかなり暑く、冬は寒いので、しっかりと体調管理はしていきましょー。
ヨドコウ迎賓館のお土産。
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おすすめの限定Tシャツ。
お土産はクリアファイルやフランク・ロイド・ライトの書籍などいろいろありましたが…
僕が気になったのはこのTシャツ!
昔訪れたときもあったかもですが、プリント部分が変わってる気がする。
めちゃ安いなぁ。笑
ちなみにクレカは使えなかったので、現金必須です。
プリント部はヨドコウ迎賓館の立面図が描かれています。
右下にはフランク・ロイド・ライトのサインと、YODOKO GUEST HOUSEの文字。
モノトーンなので、悪目立ちもせず私服でも使えますね。
建築好きな人にしか気づかれない、分かる人には分かるTシャツです。
生地はメッシュ素材で、夏の暑い時期にピッタリ!
軽い着心地で通気性もいいですね。
ヨドコウ迎賓館への行き方とマップ。
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最寄り駅は芦屋川駅(車の場合、無料駐車場もあり)。
最初にも書きましたが、最寄り駅の芦屋川駅からヨドコウ迎賓館までの坂がかなりキツめ。
ヒールなどを履いていくとかなり大変なので、スニーカーがおすすめ!
車の場合は坂の途中に無料駐車場がありますが、少しは坂を登る必要があります。
どの方法で行くにしても、歩きやすい靴がおすすめですね!
無料駐車場については公式サイトを確認ください。
参考 アクセスヨドコウ迎賓館
定休日は月にもよりますが、月・火・木・金となっています。
開館日については、カレンダーもあるので参考に。
参考 カレンダーヨドコウ迎賓館
この記事のまとめ。
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最初に書いた通り、約10年ぶりぐらいに訪れたヨドコウ迎賓館。
さすがに記憶はぼんやりですが、保存修理のみなので大きく外観や内観が変わっているなんてことはありませんでした。
当時は10代の学生でスタイリッシュな空間が好きだったので、「高そうな場所!バルコニー広い!」ぐらいの感想しかなかったかな…。笑
歳月が経って同じ場所に来てみると、空間に馳せた思いや設計思想など、デザインのその先に目が向くように。
たまたま近くに用があって寄ってみただけなんですが、自分の成長や気持ちの変化も感じられる日になりましたよ。
約2年の保存修理工事が終わり一般公開された、ヨドコウ迎賓館。
建築好きな人はライトの建築思想を、そうでない人でも自然に囲まれた環境でのんびり楽しめる場所です。
芦屋に旅行に行くことはなかなかないと思いますが、近くに行った時はぜひ見学してみてくださいねー。
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【兵庫の建築】に関連するおすすめ記事。
安藤忠雄設計の美術館。
日本を代表する建築家、安藤忠雄さんが設計した建築。
建物自体も大規模で、回遊性が重視された歩いて回るのが楽しい美術館です。
また海に面していて景色もよく、北を向けば山も見えます。
市民の憩いの場としても活用されていて、神戸に来たら見てほしい建築物の1つです。
神戸を代表する安藤建築。[兵庫県立美術館]